静岡市梅ヶ島温泉 おもいでの宿 湯の島館
「風」「林」「火」「山」の4つの貸切風呂と
駿河軍鶏や安倍山葵を使った手作り料理に感動!
静岡の奥座敷(オクシズ)、梅ヶ島温泉に位置する、
やさしい温もりの和モダンな宿
今回、井伊湯種が訪れたのは静岡市を流れる安倍川源流近く、秘境とも言われる梅ヶ島温泉。JR静岡駅から約50kmの距離にあり、南アルプスの麓(山梨県との県境、安倍峠の麓)に位置しています。
約1700年前に発見されたという梅ヶ島温泉は全国十指に入る名湯と言われ、天然の硫黄泉が自然湧出しています。井伊湯種がこの地を訪れるのは初めて。以前から気になっていた場所でしたが、ようやく実現しました。
静岡駅から車を走らせ、90分ほどで、「おもいでの宿 湯の島館」に到着しました。
山あいに建つ宿は県道29号線沿いにあり、目の前を安倍川が流れています。標高1,000メートルもありますので、気温も静岡市街地より5℃くらい低めです。
館内は木の温もりが感じられる、モダンな雰囲気。聞けば天然木をふんだんに使っているそうで、やさしさや和らぎが感じられます。清潔感もあり、丹念に手入れされていることが伺えます。
宿の開業は昭和33年。客室は全部で6部屋。リニューアルしたばかりの部屋もあり、モダンをテーマにそれぞれタイプが異なります。
お部屋には草餅が宿泊人数分、用意されていました。これは女将さんの手作り。素朴な味わいで美味しかったです。
こちらは宿イチオシの新館2階の「灯(あかり)」。シックモダン和室10畳(トイレ・洗面付)のお部屋です。備長炭を使った黒壁が印象的な空間です。
また、大きな籠の椅子もインパクトがありました。座ってみれば、ゆりかごに揺られているような新鮮な感覚で、窓から見える川や山の風景に癒されました。この椅子に座ってのんびりと過ごすのも良いですね。
洗面台や広々としたトイレもお洒落でした。可愛い巾着袋が置いてあり、何かと思ったらトイレット・ぺーパーが入っていて、こんな細かい配慮も素敵だと思います。
こちらは本館3階の「楓(かえで)」。和室10畳と和室10畳ベッドルームで、2012年7月にリニューアルしたお部屋です。各部屋専用のトイレが外にあります。
こちらにも籐の椅子があり、ここに座ってくつろげば、旅情緒が深まります。 こんな風情の籐の椅子があるのは、「楓」と「灯」の部屋だけとのこと。
また、クラシカルモダンの和室16畳の「彩(いろどり)」も宿の代表的なお部屋で、窓を開くと山と川の大自然が広がり、特等席のソファーに座って、眺めることができます。ほかのお部屋も素敵ですから、宿のHPでチェックしてみてください。
館内にはコーヒーコーナーがあり、カップがズラリ。珈琲・紅茶が一杯400円。好きなカップを選べるところがいいですね。
お風呂は武田信玄にちなみ、「風」「林」「火」「山」!
趣きの異なる貸切風呂で湯上がり処もステキ
お風呂は4つあり、その名も「風」「林」「火」「山」。梅ヶ島温泉は武田信玄の隠し湯として有名で、それにちなんで名前を付けたそうです。お風呂だけではなく、湯上がり処にもこだわり、空間自体を楽しむことができます。
すべて貸切風呂として利用することができ、フロントで鍵を受け取って使用するシステム。お風呂は1時間以内で利用でき、利用後は鍵をフロント(返却口)に返します。
混雑時の場合、夕食後の入浴は予約制となり、チェックイン時に予約を受け付けているそうです。
お風呂が空いていれば何回でも利用できますので、早めのチェックインがおすすめですね。
「風」の湯には、五右衛門風呂が2つと少し浅めの桶風呂がありました。五右衛門風呂の蓋をあけると、強い硫黄臭が。否応なしにテンションが上がります。すっぽりと湯船に浸かれば極楽気分。温めの湯でいつまでも入っていたくなります。
桶風呂の床は畳敷きで、良い感じ。窓からは外の景色が眺められます。
泉質は単純硫黄泉。pH9.2のアルカリ濃度が高い温泉です。ほのかに硫黄臭のするヌルつき感のあるやわらかなお湯で、肌にしっとりしみ込みます。これはまさしく美人の湯ですね!
梅ヶ島温泉のすべての宿では、静岡市が管理する共同源泉を利用しており、湯の島館では、温度調整のため、加温をしているそうです。
「林」の湯は檜の良い香りに包まれた桶風呂で、窓から見える緑にも癒されます。ゆったりとした畳敷きの湯上がり処には火鉢があり、くつろげる空間でした。
「火」の湯は、赤を基調とした「火」を感じさせる趣きになっています。武田信玄になった気分で入浴するのがおすすめとのこと。お湯に浸かりながら歴史について思い巡らせるのも良いでしょう。
湯上がり処には囲炉裏があり、和みます。
「風」「林」「火」「山」のお風呂を制覇して、心地よい湯疲れと達成感を味わう湯種でした。
それぞれの貸切風呂の違いも面白く、たいへん気に入りました。